て つ こ ら む
〜うえさんの鉄道コラム〜

うえさんのページ

1、「鉄子」に思うこと 2007年9月4日(火)

コラムの初回は「鉄子」について書きたいと思います。

以前から「鉄道ファン」とか「鉄道マニア」と言うのは
一般的に「男子」でした。
駅や線路っ端で列車にカメラを向けているのも
ほぼ全員男子でしたし、
鉄道模型屋さんでショーウインドーにかじりついているのも
決まって男子でした。
模型屋で見かける「女子」は
鉄道少年に連れてこられた少年の母か
鉄道青年のカノジョや鉄道中年の妻と思しき人たちで
彼女達はいつも決まって「つまらなそう」な顔をしていました。


一方で
以前から「鉄道マニア」というほどではなくても
「鉄道好き」という女子は極々少数ながら存在しました。
著者の姉も
「ブルートレインや東武のスペーシアに乗りたい」
と話しており実際機会があれば乗っていますし
著者の女友達も
「ローカル線の鈍行に乗ってボーっと景色を見ているのが好き」
と ときおり出かけていきます。


男子の鉄道ファンを「鉄ちゃん」と呼ぶのに対し
彼女達のような「鉄道好きな女子」は
「鉄道」の「道」を取って
「道ちゃん」と呼ばれたりもしていました

とはいえ 「道ちゃん」は ごくごく一部の存在であり
「鉄道趣味は男子のモノ」という認識がまだまだ一般的でした。
「道ちゃん」たちも
「ワタシは列車に乗っているのが好きなだけで 道ちゃんってホドでは・・・」
と 逃げ腰気味であったりしました。

ところがここ数年、鉄道趣味を取り巻く状況に変化が現れました。

自ら「ワタシは鉄道好きです」と公言する若い女子が現れ始めたのです

自らを「鉄子」と称した札幌出身のフォトライター
「矢野直美」さんの著作「おんな一人の鉄道旅」を
書店(千葉の三省堂)の鉄道書コーナーで見たときは
驚いたのと同時に感動しました。
「お〜 堂々と 鉄子 を名乗り
鉄道写真とともに乗車ルポを書く若いムスメが現れたかあ!!」
早速 この本を購入。。
ほのぼのとした文体と男子とは違った視点に感動し
「北海道幸せ鉄道旅」も購入してしまいました。
乗車ルポには 「鉄道が好きで好きでたまらない」
という気持ちがそこここに描かれており感動しました。


それから数ヵ月後
同じ書店で 今度は
コラムニストの「酒井順子」さんが
「女子と鉄道」という本を出したのを発見
これも早速購入。
周囲に「鉄道が好きです」と言えなかった学生時代の話や
初めて「撮り鉄(鉄道撮影のこと)」をしたときの体験談
女子と鉄道との関係を面白おかしく考察したり・・・と
盛り沢山な内容。
かつて 渋谷系だった酒井さんが「隠れ鉄子」だったとは!!
そういえば「宮脇俊三先生」のファンだったらしいからなあ
などと感心してしまいました。

そういえば
「鉄子の旅」という漫画も好評のようです。


このように 若くてキレイな女子達が
自らを「鉄子」と名乗り 堂々と「鉄道が好き」
と言えるようになった昨今。

旅先の列車内で 一人旅と思しき女子が
時刻表のページを繰っていたり
特急「スーパー白鳥」や寝台特急「北斗星」にカメラを向けている姿も
見かけるようになりました。

以前は決まってつまらなそうにしていた
「鉄道模型屋に鉄道青年に連れてこられたと思しき女子」も
「あ これ江ノ電?カワイイね!」
「あ 昔の(総武)快速だ!」
と興味を示している場面にも遭遇するようになりました。


時刻表にも 「500系のぞみ」とか
「こまち型車輌で運転」などと書かれる様になり
車輌にも「HEAT789」「SERIES255」と形式名が
表示される昨今。
女子の口から「○○○系」という言葉を聴く機会も増えました。


うちの嫁さんも「113系」と「115系」の
違いをわかるようになってきました。
(それは旦那の影響だっちゅうの!)


ワタクシゴトですが 今年の8月に
東京ビックサイトで行なわれた
「国際鉄道模型コンペンション(JAM)」に
友人と行って来ました。

来館者の殆どが男子でしたが
ウラワカキ女子の姿もチラホラ

しかも 「子供」若しくは「旦那」若しくは「彼氏」に
ムリヤリ連れてこられた風ではなく
「鉄道を楽しんでいる」風の女子の姿も多く見られました。

世の中 変わってきたのですね。


このようにして
だんだんと「男子だけの趣味」から前進しつつある鉄道趣味。
「鉄ちゃん」も「鉄子」もがんばって
鉄道の未来を明るいものにしていってほしいと思います。

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追記

酒井順子さんが 著書の中で
自身は「スイッチバック」の意味もわからないし
乗って居眠りばかりしていては
真の鉄道好きとは言えないのではないか?鉄道に申し訳ない

というようなことを書いておられましたが

「趣味に決まった形なんてありませんよ」
楽しみ方は人それぞれでいいと思いますよ。
次回作 楽しみにしています。